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米国で月間800万食販売、食材とレシピが届く定期購入サービス「Blue Apron」

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「美味しいご飯を家で落ち着いて食べたい。」「料理を上手に作れるようになりたい。」「家で料理をしたいけれど食材が無駄になるのが嫌だ。」そんな望みを全て解決してくれるのが今回紹介する「Blue Apron(ブルーエプロン)」です。

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「Blue Apron」とは?

「Blue Apron」は、全米で展開している、夕食のレシピと食材のキットを毎週宅配してくれるサービスです。
送料は無料。2人用は週3回のプランで59.94ドル(1食あたり9.99ドル)、家族向けの4人用は週2回で69.92ドル(1食あたり8.74ドル)もしくは週4回で139.84ドル(1食あたり8.74ドル)です。いつでも定期宅配をやめることができ、旅行などで必要がない週は事前にキャンセルできます。

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レシピは季節に応じたものが選ばれ、1年のうち同じレシピが届くことはありません。また有名シェフがレシピを考案することもあり、ユーザーはレストランのようなメニューを楽しむことができます。レシピには、”ズッキーニのつぼみ”など今まで食べたことがないような面白い食材も含まれています。気になるカロリーも1食あたり500~800kcalと抑えられおり、多くのレシピは30分程度の調理時間のようです。

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食材はレシピに必要な分量だけ届けられ、食材が無駄になったり、残りの食材で何を作ろうか悩んだりすることはありません。食材も厳選されており、農家と直接契約をすることでスーパーマーケットより鮮度が良いもの、肉類は抗生物質やホルモン剤を与えられていないものを選んでいます。
魚介類に関しては、モントレー水族館(Monterey Bay Aquarium)が発表している「シーフード・サステナビリティ格付け」結果を元に、環境を考慮したものを提供しています。

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「Blue Apron」はアメリカの多様な人種背景なども考慮し、ベジタリアンやペスクタリアン(肉を食べない魚菜食主義)、アレルギー対応もしています。ただし、他のキットと同じ工場から配送されるため深刻なアレルギー持ちの方には推奨しない旨がウェブサイトに記載されています。

まるでオンラインクッキングスクール

「Blue Apron」はレシピと食材を送るだけではなく、誰でも美味しく調理できるようサポートが用意されています。
印刷されたレシピは食材と同梱されて届きますが、ウェブサイトからも確認することができ、文章だけではわかりにくい点には動画が用意されています。

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どんな調理道具を使ってよいかわからない・・・という初心者の方にもやさしく、レシピで使われている調理器具の説明もされています。ウェブサイトからは、レシピの写真で使われている調理器具と全く同じものを購入することもできます。

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ワインペアリングができる!

高級レストランでは、ソムリエの方が料理一皿毎にワインを選んでくれるワインペアリングのサービスを提供しているところがありますよね。「Blue Apron」もまるで高級レストランのように、メニューに最適なワインを選んで一緒に宅配してくれるサービスも行っています。

普通サイズより少し小さめ、2人でシェアしてちょうど良いサイズである500mlを月6本(赤3本、白またはロゼ3本)がワインの説明付きで宅配されます。

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ワインも食材と同じく、カリフォルニア州やワシントン州のワイナリーと直接契約し、中間マージンを省くことで、質の高いワインを1本あたり10ドル(約1,000円)と価格を抑えられているそうです。

高まる人気と競合他社

「Blue Apron」は2012年にニューヨークで創業し、現在月800万食を提供するまでに急成長しました。ちなみに創業者のマット・サルズバーグ氏、 マシュー・ワディアク氏、 イリヤ・パパス氏は、2015年にBusiness Insiderによる”ニューヨークのIT産業の中心シリコンアレーで影響力のある人物”でトップ4位に選ばれています。

「Blue Apron」同様の食品とレシピのキットを配達するサービスでは、「Plated」、「Hello Fresh」などがあります。「Hello Fresh」はテレビ番組を持つ人気シェフ ジェイミー・オリバー氏と組み、週に一度オリバー氏のレシピが届きます。また、「Plated」は「Blue Apron」同様に食材のクオリティにこだわっているようです。

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今後の可能性

Forbesによると、日本と比べてアメリカではデリバリーやテイクアウトを利用することが多く、家で夕食を食べる場合も、40%以上の人がデリバリーやテイクアウトを利用しています。
デリバリーを注文する場合、チップを15%~20%払う必要があるため、「Blue Apron」の提供する1食あたり9.99ドルを越えると考えられ、更に、「Blue Apron」のレシピは自分で調理した場合でも約30分で作り終えるため、デリバリーの待ち時間と大差なさそうです。

Forbesの同調査によると、アメリカでは年間約1兆ドル(約100兆円)が外食やスーパーマーケットでの購入を含め、何らかの形で食品に使われており、その中で4,000億ドル(約40兆円)が夕食代だそうです。年間4,000億ドルが夕食代に使われていることを考えると、「Blue Apron」のようにハイクオリティな食材を使って家で簡単に調理ができるレシピと食材のキットは、これから更に多くの人に受け入れられるかもしれません。

感想

日本でも同様のサービスを「ヨシケイ」等が提供しています。「Blue Apron」はワインペアリングができたり、珍しい食材が含まれていたりと、便利さ以上のサービスを提供しているように感じました。日本でもお酒との組み合わせや面白い食材も楽しめる同様のサービスができたら、人気が出そうですね!


Blue Apron(ブルーエプロン)
https://www.blueapron.com/

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大学院で機械工学(ロボット工学)を専攻したのにもかかわらず、卒業後は某メーカーにてデジタルカメラ用ソフトウェア開発に従事。退職後、2014年よりニューヨーク在住。趣味はヨガでインストラクター資格も取得しました。現在ニューヨーク大学クーラント数理化学研究科の修士課程在学中。インドと中国の秀才たちに混じって、絶賛落ちこぼれ中です。