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【体験レポ】訪問スタイリングサービス「Boon + Gable」を使ってみた ー アプリで質問に答えたらスタイリストが家に来た!

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編集長のイイヅカです。服がどんなに買いやすくなっても、何を買えば良いかを決めるのは簡単ではありませんよね。サンフランシスコ発の「Boon + Gable(ブーンアンドゲーブル)」は、スタイリストが自宅に訪問してオススメの服を提案してくれるサービス。今回は「Be Magnetic!」に掲載された三浦茜さんの体験レポートをご紹介します。

プロのスタイリストがスタイリングしてくれる「Boon + Gable」を使ってみました。正直ファッションにはあまり興味がないのですが、新しいサービス好きとしては気になる!面白い体験だったので、ちょいと長文になってしまいましたよ。

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Boon + Gable

サービスの流れは動画で!関係ないけど動画に出てくるバッグはEverlaneのかな。

アプリをインストールして質問に答える

スタイリストに私の好みや体型を理解してもらうため、いくつかの質問に答えます(画像はクリックで拡大)。50問ぐらい答えたでしょうか。この服は好きor嫌い、避けてほしい服の色、普段着ている服のサイズや価格帯など。かかった時間は10分ぐらいかな。

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スタイリストの訪問日を決める

スタイリストが私の好みに合わせて20アイテムを持ってきてくれるそうです。直近で空いているスケジュールということで、オフィスでお昼休みを指定してみました。

オフィスじゃダメだった!

が、その後ちゃんとインストラクションを読んだら、スタイリストは最初に私のクローゼットを見学するというではないですか。

クローゼットを見て活用できてない服の活用方法や、スタイリストが私のために選んでくれた服との合わせ方をアドバイスしてくれるみたいなんです。ならばぜひ家に!ということで、翌日にリスケジュールしました。

本来リスケジュールやキャンセルは$40かかるようなのですが、そのあたりは柔軟に対応してもらいました。

スタイリストが我が家に!

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私が指定したのは8:30のスロット。7:30頃には家についていたので「もう家に着いてるから、早く着いたら来ちゃってねー」とメッセージしておいたところ、8:00ちょい過ぎにピンポーン♪がなりました。ドキドキです。

私のスタイリストさんは背が高いフィンランド人のKiiaさん。
TechCrunchの記事と同じ人でした!サンフランシスコでのサービスはスタートしたばかりのようなので、Kiiaさんがメインスタイリストなのかもしれません。チーム写真の一番左の長身の彼女です。

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最初に全身が映る鏡の場所を確認。我が家はキッチン横に姿見があったので、そこがベースになりました。

そして私のクローゼットをスタイリストに公開!

  • 「この中で好きな服はどれ?」
  • 「よく着てるのは?」
  • 「逆に着ない服はある?」

といったことを聞かれます。

  • 「正直ファッションに興味がないので、ワンピースしか着てない」
  • 「2年前に引っ越してきたこともあって、あまり服がない」
  • 「普段はファッションレンタルサービスでごまかしている」

などを伝えました。スタイリストさん相手に「ごめんね…」って感じの内容ですが。その後、彼女から次回の服のセレクトに活かすために、

  • 「嫌いなものは嫌い、好きなものは好きって言ってね」
  • 「Loveなものだけ買ってね」

というようなことを念押しされます。もちろんそうしよう思ってるけど、ちゃんと言ってもらえると言いやすい。いい人だなぁと思いました。

スタイリングスタート!

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事前にアンケートで「ワンピースばかり着ています」と伝えていたので、ワンピースを多めにセレクトしてくれてました。背景がキッチンでゴミ箱が気になりますが…色々着てみました。試着しながら、

  • 「このスカートの丈はどう?短い?」
  • 「クローゼットにある服よりタイトめだけどOK?(クローゼット見学が活きてる!)」
  • 「サイズ感はどう?あってる?」
  • 「この2つは似たシルエットだけどどっちのガラが好き?」

などなど質問されます。質問されると質問されてないことまで話しやすくなって、

  • 「座った時にパンツが見えそうだから、この丈はNG」
  • 「私がもう少し胸があったらこの胸の開きもOKなんだけどね…Boobが足りない…」
  • 「この国のジャケットは基本的に肩パットが入ってるけど、入ってないのを着たい!」
  • 「日本には金太郎っていう伝統的なキャラクターがいて、最近よく見る肩が出過ぎてるデザインは微妙なんだよね…」

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などこたえていきます。初めて会った人なのに話しやすいし、めっちゃ楽しい!最初は隠れて着替えてましたが、気がつけば下着姿もいとわず試着してました。

よく日本のお店だと自分ではイマイチだなぁと思ってても、「お似合いですよー!腕が太い?全然気にならないですよー!全然細いじゃないですかー」みたいなことになりますよね。

でも彼女は「私は似合うと思うけど、着ているあなたが comfortable じゃなかったら意味ないもんね。気になるところは教えてね」という感じなので、なんかすごく会話もかみ合ってる感じがする!

ちなみにアメリカのお店はそもそも試着の際のコミュニケーションがほとんどないので、いわゆるお世辞を聞く機会はありません。

正直、家に知らない人が来ることに全く不安がなかったわけではないので、Kiiaさん自身のフレンドリーさもあると思いますがホッとしました。

逆に知らない人の家に訪問するのは不安じゃないのか聞いてみたところ、「アンケートにこたえてもらってるのと、クレジットカードの認証などの情報を経ているので、ある程度は担保できている」とのことでした。

最近こういうのに慣れてきちゃいましたが、実にシリコンバレー的かもですね。

サイズが全部パーフェクトだった

驚いたのはサイズが全部フィットしたこと。アンケートでサイズはこたえたのですが、ブランドによってサイズって違いますよね。素朴な疑問を質問してみたところ「アンケートの結果を元に、選ぶブランドによってサイズを変えている」とのことでした。

私が好きなブランドなども伝えているので、AのブランドでXSなら、BのブランドはSなどの微調整を加えてくれているんだと思います。実際「この靴のブランドAはタイトめなので6.5にして、こっちのブランドBはデザイン的に伸びるタイプなので6を持ってきたよ」とのこと。私のために選んでくれてる感じがして、めちゃめちゃ嬉しい。

さて、どれを買うか?

欲しいと思ったものをそのままキープ。いらないものは彼女が持って帰ります。すでに私の表情を見て、バッグに詰め込まれている商品もありましたが、興味がある服をみながらうーんうーん。

コレ!と思ったものを7着ほど選び、「いくら?」と聞いたところ$800オーバー…さすがに無理!

そしてそのお会計の時に気付いたのですが(よくよく聞いたらアプリのプロセスで確認があるとのこと)、プライスタグに対して15%上乗せの金額が価格になります。いわゆる手間賃。

このブランドとサイズを覚えて、あとでオンラインで買ったほうが早いのでは…みたいなことをケチな私は思ってしまうわけですが、送料とか色々考えるとお得なのかもしれません。そもそもそういう細かいことを考えない人向けのサービスなんですね。

ということで、結局ジーパンとタンクトップを買いました。普段ワンピースしか着ない私が絶対自分では買わないものなので、逆に面白いなぁと。

気がつけばあっという間に1時間が経ってました。

ドギマギするかなーと思っていたのですが、あっという間でした。

その昔、百貨店でファッションアドバイザーについてもらって、お店をまたがったスタイリングをしてもらったことがあるのですが、それを思い出しました。

参考:SEIBU SOGO コーディネートステーション

先日、日経MJの記事「米ネット専業アパレル 店舗出店で顧客の心つかむ (三浦茜)」に書いたようにModclothのフィットショップにも行きましたが、その時より時間の流れが早かった。ブランドを横断してるのでセレクトが的確だし、クローゼットのアイテムも巻き込めるので、バリエーションの幅が広がるんだと思います。

プラスオンの15%をどう感じるかですが、手間にお金を払う感覚がある人には、結構ありだと思いました。

今回購入したものとサービスの収益予想

Cooper & Ella Avery Floral Tank In Vintage Floral Print – $143.75
Paige Denim Transcend Verdugo Crop Jeans In Midlake – $194.35
Subtotal: $338.10
Sales Tax: $29.59
Total: $367.69

ここから読み解くと、実商品価格に15%の手数料がのっているので、
タンク125ドル+手数料18.75ドル=$143.75
デニム169ドル+手数料25.35ドル=$194.35
手数料合計44.1ドル

事前に服を選ぶ時間1時間、移動1時間、訪問1時間で計3時間かかっているとすると時給換算で$14.7。なかなか厳しいですね。

私が最初に欲しいと思ったアイテムは全部で800ドルぐらいだったので、それを全部購入してたとすると、服代695.65+手数料104.35。これだと時給$35程度なので、そのぐらいならありなのかも?

数が増えれば洋服ブランドから服を仕入れるところでも利益はでそうですが、なかなか一気にはスケールはしなそうです。

CEOからメッセージが来た!

シリコンバレーのサービスのすごいところだなーと思うのですが、だいたいサービス直後に「よかったらフィードバックを聞かせてください」という連絡がきます。

  • 「どこでこのサービスを知ったの?」
  • 「普段はどこで服を買ってる?路面?オンライン?」
  • 「今日の体験で一番好きな部分はどこ?」
  • 「改善したほうが良いところはどこ?」
  • 「スタイリストが来る前に予算は決まってた?」
  • 「質問してないことでも言っておきたいことはない?」

といったことをやり取りしました。

感想

翌日購入したコーディネート一式を会社に着て行ったところ、「いつもと違ってスタイリッシュですね」と同僚にほめられました。いつもはダサいってこと…?とも思いましたが、褒められて嬉しい!

サービスを使ってみてよかったところは以下の点です。

  • 好き!嫌い!が言いやすい雰囲気を作ってくれたので、友達と買い物してるみたいで体験として楽しかった。1時間があっという間だった。
  • 自分が普段選ばない服をセレクトしてくれるので発見があった。
  • 次回はさらにセレクトの精度が上がりそうなので、期待大!

イマイチだったところは以下の点です。

  • 商品に値段が付いているので「これの15%プラスか…」と思っちゃう
  • 買わないとなーというプレッシャーは多少ある
  • 単価が普段自分が選ぶ服よりちょっと高め

イマイチだったところは、CEOとのチャットでも伝えたのですが、このサービスのターゲットは私よりもう少しファッションにお金をかける人なんだと思います。CEOに私が普段購入するブランドや価格帯を伝えつつ聞いてみたところ、「それはそう!」とのこと。

よいサービスなので、いかに一定層以上のターゲットユーザーにリーチするかが肝なんだろうなーと思いました。無料でスタイリストさんに来てもらえるので、私みたいな人が気軽に使っちゃうけど、このスタートアップ的にはイマイチなはず。

自分以外に、自分の好みやサイズを理解してくれている人がいて、その人が代わりに服をピックアップしてくれるなら、そのアイテムは宝の山ですよね。

それは今、AIとデータ解析によって実現されようとしていますが、今日のフレンドリーな体験はAIとではなかなか得難いなーと思いました。

このサービス、基本的にはスタイリストが訪問するサービスのようですが、ある程度の顧客の嗜好をつかんだら、その頻度は低くてもよいのかもなーと思いました。Q毎にスタイリストが訪問、ただそれ以外の月は顧客の好みに合わせた服を発送するようなイメージ。

毎月スタイリストが選んだ服が送られてくるサービスは 「Stitch Fix」「TrunkClub」「Bombfell」 など色々ありますが、既存のサービスより、より精度の高い服を送ることができると思いました。

興味を持った方は以下のリンクから試してみてください!3人が予約してくれると、私が Closet Curation というサービスが受けられるみたいです。Closet Curation は服を買うのではなく、既存の服で新しいコーディネートを作ってくれるとのこと。試してみたいので、よろしくお願いします!


Boon + Gable
https://boonandgable.com/r/62d4fd7442

(この記事は「Be Magnetic!」より2016年3月8日の記事「訪問スタイリングサービス Boon + Gable を使ってみた。アプリで質問に答えたらスタイリストが家に来た!」を転載。編集部でタイトルおよび内容を一部変更している場合があります。)
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三浦茜 (みうらあかね)
サンフランシスコ在住。アーリーステージの米国スタートアップ企業を支援するベンチャーキャピタル『Scrum Ventures』でマーケティングVPを務める。日経MJ「奔流eビジネス」に寄稿ほか、ライターとしても活動中。米国の新サービスやサンフランシスコ関連情報を「Be Magnetic!」にて発信している。