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アリババ、スマホメーカー「Meizu(メイズ)」に700億円を出資 ー アリババが開発する「YunOS」とは

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中国電子商取引最大手のアリババは2月9日、中国の新興スマートフォンメーカー「Meizu(メイズ)」に5億9千万ドル(約701億円)を出資すると発表した。
アリババが開発するモバイルOS「YunOS」を搭載したデバイスを投入していくことを狙う。

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2008年からスマホ市場に参入 従業員は1,000人

「Meizu(メイズ)」は、2003年に設立された電気機器メーカーで、当初はオーディオ機器を開発していたが、2008年にスマホ市場に参入し、現在はそちらに注力する企業だ。
中国珠海に拠点を置いており、現在は1,000人以上の従業員と600の小売店を抱えている。中国のほか、イスラエル、ロシア、ウクライナなどの海外でも存在感を高めているようだ。

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英canalysが発表した中国における2014年第2四半期のスマートフォンシェアでは、トップ5が「Xiaomi」「Samsung」「Lenovo」「Yulong」「Huawei」となっており、メイズがここに名を連ねるまでには至っていないが、中国では広く認知されるメーカーへと成長しているようだ。

メイズが2014年11月に発売した「MX4」に、アリババがメイズ向けにカスタマイズしたOS「Flyme powered by YunOS」を提供しており、ここですでに提携関係を結んでいる。今回の出資により、この関係をさらに推進する形だ。
アリババは今回の出資により、メイズのスマートフォンエコシステムの構築を目指し、Eコマースやモバイルインターネット、モバイルOS、データ分析のためのリソースの提供および支援を行うとしている。


アリババが開発する「YunOS」とは

ここでアリババが開発する「YunOS」について説明しておく必要があるだろう。「YunOS」は、2011年7月に発表したモバイル向けのOSで、インターネットに常時接続された未来を想定して開発されたものだ。現在はバージョン3.0が最新バージョンとなる。

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「YunOS」は、1,200名ものエンジニアを投入し、3年をかけて開発したが、シェアを獲得するために、メーカーに対してライセンス料を取らない形で提供している。アリババとしては「YunOS」を通して、自社の他サービスを使ってもらうことで利益を獲得できると見ているからだ。

Amazonが提供する「Fire Phone」などに搭載されている「Fire OS」と同様に、Googleが無料で公開しているソースコード「Android Open Source Project」をベースに開発されているが、ここに少し問題があったようだ。


Googleから待ったがかかり発表を中止するトラブル

2012年9月にAcerが「YunOS」を搭載したスマートフォンの発表を直前にして急遽中止するというトラブルが過去に起こっている。
アリババの発表によると、GoogleはAcerに対して「YunOSを搭載した端末を発売するならAndroid製品開発の協力および技術認可を打ち切る」と通達したことから、急遽発表を中止するに至ったということのようなのだ。

Googleが問題にしたのは、Googleのサービスを利用せず、アリババのサービスの利用が基本となっている点にあるようだ。Googleのエコシステムを崩しかねない構造である「YunOS」を、Googleは「互換性がない」ということで認めることはできず、Androidの開発を推進するための組織「Open Handset Alliance(OHA)」に加盟するAcerは発表を中止せざるをえなかったというのが背景にあるようだ。
アリババにとっては、YunOSの普及に大きな障害が立ちふさがることになり、自らで突破口を切り開くしかないという状況の中、今回の提携につながっていると思われる。

IDCが発表した「2015年 世界ICT市場の主要10項目」では、中国におけるネット通販の利用者は、2015年に世界の3分の1を占める規模になると予測している。そして、中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)が2月3日に発表したところによると、中国のモバイルユーザーは2014年12月時点で5億5,700万に達しているという。
今後ますます巨大な市場へと成長しそうな中国において、アリババのモバイル戦略は大きな影響を与えそうだ。

Meizu(メイズ)
http://www.meizu.com/en/

YunOS
http://www.yunos.com/

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