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楽天、国内EC流通総額は3兆円に到達もポイント負担増により減益

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楽天は2月13日、2016年度通期および第4四半期の決算説明会を開催した。2016年度の国内EC流通総額は3兆95億円となり約12%増(前年比)、通期の売上収益が3,112億円で9.3%増(同)だったのに対し、営業利益は775億円で19.6%減(同)となった。
マイナスとなった要因としては、楽天市場における「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」と品質向上の取り組みに積極的に投資をした結果としている。(内容については後述)

楽天代表の三木谷氏

ポイント施策による負担増も、第4四半期に成果

楽天が発表する国内EC流通総額は、楽天市場をはじめ、楽天トラベル、楽天スマートペイ、スタイライフ、ケンコーコムなど26のサービスの総額を算出するもの。
2016年度からRebates(2015年12月オープン)、爽快ドラッグ(2016年10月に買収)、CBT(=Cross-Border Trading:越境取引)※1が新たに追加されている。
※1 CBTはこれまでも含まれていたが、今回初めて明記された形

下記グラフは1年間の流通総額の推移となる。


10%以上の伸びを継続的に続けているが、第3四半期は「関心が消費よりもオリンピックに向いた(三木谷氏)」と伸びが鈍くなったのに対し、第4四半期は前年同期比14.7%増と盛り返した。

楽天は、第4四半期の伸びを「再加速」と表現し、2017年度第1四半期もこの水準を継続できる見込みであることを明らかにした。その要因としては、同社が2016年1月に開始した「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」と品質向上の取り組みの2点を挙げた。


強化したのは「SUP」と「品質向上」

「SPU」は、楽天スーパーポイントの付与率が楽天カードの利用で+3倍、楽天アプリ・楽天プレミアムカード・楽天モバイルの利用でそれぞれ+1倍となるもので、最大7倍になるポイントアッププログラムだ。


個々にはこれまでも実施していたポイント施策となるが、エントリー不要にすることで、対象となる全ての人が受け取れるようにした。この施策により、「新規ユーザーや注文件数が安定的に伸びた」としている。今後も継続していく考えだ。

品質向上の取り組みとしては以下の4点を挙げた。

1. UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
2. 検索ロジックの強化
3. 受取り場所の多少か
4. データ活用の最適化
・ユーザー向け:クーポンアドバイス(パーソナライズされたクーポンの配信)
・店舗向け:R-カルテ、ページ診断サービス

店舗向けページ診断サービスは、商品ページを自動診断するもので、コンテンツの順番や不足している情報などのアドバイスを行うもの。


2016年の実績では利用した店舗において転換率の平均向上率が43%増加したとのこと。これまでは一部の店舗(約1,100)に提供していたが、2月からはこのサービスを全店舗に無料開放している。

楽天市場の収益性の面では、「SPU」の強化が負担増につながっているが、楽天カードや楽天モバイルの利用促進につながっていることから、「収益性の面ではポジティブに捉えている(三木谷氏)」としている。今後は、物流や決済面の強化、外部への広告販売などで新しい収益の確保していくとのことだ。

なお、楽天カードの取扱高は2016円に5兆円規模に到達し、前年比20.7%の成長をみせた。このまま成長が続けば、来年にはトップの三菱UFJニコスを抜き、国内No.1になる見込みだという。楽天市場における楽天カード決済の比率に関しても、2016年12月に51.2%となり、順調に拡大した。


バルセロナというグローバルでのビッグネームを活かせるか

バルセロナの新メイングローバルパートナーになったことにも触れた。スポーツによるブランド価値上昇効果に関して、東北楽天ゴールデンイーグルス設立年にブランド評価※1が167位から32位まで大幅に上昇したことを紹介し、同様の効果を期待していることをにじませた。
※1 日経BPコンサルティングが実施するブランド評価調査「ブランド・ジャパン BtoC編」

今後は傘下で提供する海外サービスにおいて、楽天とのブランド統合や会員統合を計画しているとのこと。具体的には、Ebates、Viber、Kobo、OVERDRIVE、Viki、Wuaki.tvがこの計画に該当する。

海外におけるマーケットプレイスに関しては、昨年閉鎖の発表が相次いだが、今後はドイツ、フランス、アメリカ、台湾に絞って展開していく。その中で、ドイツでは2017年1月の流通総額が前年同期比103%増になるなど、好調な推移を見せているとのこと。

バルセロナとのパートナー契約は4年。この間に楽天がどのように攻めていくのかこれから注目したい。

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