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大手が相次いで導入する試着サービス「Virtusize」とは ー 通販サイトで自分の服とサイズ感を比較

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通販サイトで洋服を買うときに躊躇する要因となることはなんだろうか。「素材や質感を実際に見て確かめたい」ということもあるが、「サイズが合うかが不安」ということを理由としてあげる人は多いのではないだろうか。

そんな課題を解決するサービスとして登場したのがスウェーデン発の「Virtusize(バーチャサイズ)」という試着サービスだ。国内ではMAGASEEK、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチ、ディノス・セシール、TSIホールディングスなど、そうそうたる顔ぶれのサイトに採用されているサービスだ。つい先日もルミネが運営する「i LUMINE(アイルミネ)」に導入されたことが発表されている。

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持っている服のサイズと比較することができる

「Virtusize」は、ECサイトで販売している洋服のサイズ感をチェックすることをサポートするサービスだ。一般的には自分のサイズを入力して比較するアプローチだが、「Virtusize」は自分が持っている服とサイズを簡単に比較することができるサービスとなっている。
実際に着ている服であればフィット感はよく分かるし、お気に入りの服と比較すれば安心して購入することができるというわけだ。

具体的な使い方としては、対応サイトの商品ページに設置されている「サイズをチェック」というボタンから「Virtusize」を使ったサイズ比較をすることができる。
過去に購入した服があれば選択するだけで比較できるほか、手持ちの服のサイズを入力して比較することもできる。詳しい使い方は動画を見てもらった方が早いだろう。


ポイントとしては、「Virtusize」に対応したサイトであれば、他サイトで購入した商品も選択して比較できるようになっている点。同じブラウザであれば、会員登録しなくても自動的に商品が表示されるようになっているので、アーバンリサーチで買った商品をユナイテッドアローズで買い物するときに選択して比較することができるようになっている。
「Virtusize」の会員登録をしておけば、異なるパソコンやスマートフォンでも、同じデータを使うことができる。

サイトへの導入に関しては、2つのコードをサイトに埋め込むほか、サイズに関するデータを「Virtusizeがクローリングで取得」「データベースと連携」「データのアップロード」のいずれかの方法で提供するだけで完了する。
費用に関しては、従量課金型もしくは成果報酬型での課金となっているが、ここは柔軟に対応しているようだ。


欧米と日本のショッピングに対する意識の違い

経済産業省が発表した「平成26年度 電子商取引に関する市場調査」によると、日本の「衣類・服装雑貨等」における市場規模は1兆2,822億円で、EC化率は8.11%という数字が出ている。

まだまだアパレルのEC化率が低い要因として Virtusize日本の代表を務める上野 オラウソン・アンドレアス氏は「同じMサイズでも、国によってもブランドによっても寸法が違う不便な状況」であることを指摘する。これが店舗での購入率が高くなる一つの要因になっているということだ。

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Virtusize 代表の上野 オラウソン・アンドレアス氏

また、欧米に比べて日本のアパレルのEC化率が低い理由として、ショピングに対する意識の違いを挙げている。

「日本の人はあまり返品しない傾向があります。返品することを恐れて購入することに慎重で、ちょっとでも気になることがあれば購入しません。購入したとしても、サイズが合わなかった場合に返品せず、そのブランドを2度と購入しないことを選択することが多いのではないでしょうか。
逆にヨーロッパの人はとりあえず買ってしまって、気に入らなかった返品するということが普通になっています。その分返品率が3割〜4割程度と高いですが、リテーラー自身もとりあえず買ってもらった方が良いと考えています。」

躊躇して買ってもらえずに機会を逸するよりも、買ってもらって返品があったとしても、不満点を知ることができるため、それが次のチャンスにつながっていくと考えているようだ。

また、アメリカやヨーロッパでは返品に関することが法律でしっかりと定められているため、消費者は返品することを自分たちの権利だと認識しているそうだ。最低30日間無料で返品に応じることを義務付けており、長いところでは2ヶ月〜3ヶ月の期間を設けているショップもあるとのこと。返品理由もあまり問われない。
一方で、日本では返品期間が1週間程度が普通なうえ、返品に応じないケースも多く見られる。こういったところも消費者意識に大きく影響しているのだろう。

こういった背景を考えても「Virtusize」は、購入することに慎重な日本の利用者にこそ求められているサービスなのかもしれない。実際に導入されたサイトの規模を考慮すれば、日本の方がスウェーデンよりも導入が進んでいる状況となっているようだ。

日本の導入企業を通して行ったユーザーへのアンケート調査では、「サイズ選びに役立ちましたか?」という質問に対し、90%以上が役立ったと回答したという。また、「また使いたい」と回答したユーザーも94%にのぼった。利用者からはかなりの好感触を得ているようだ。


今後の予定としてまだ開発中の段階だが、自分が持っているお気に入りの服に近いサイズの服をショップで検索できる機能も提供する予定とのことだ。確かに「サイズ感の合うブランド=お気に入り」という面もあるので、これによっていつも買っているブランドだけでなく、いろんなブランドを試してみるきっかけにつながるかもしれない。

大きな問題ながらも、まだまだ国内では未開拓に近い試着サービスの分野は今後さらなる盛り上がりが予想される。

Virtusize(バーチャサイズ)
http://www.virtusize.jp/

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